「音量の種類について」

音量の種類には、主に音圧レベル(単位:dB・デシベル)と、ラウドネスレベル(単位:phon・ホン)があります。
音圧レベルとは、物理的な音の大きさを表しています。
しかし、人間は同じ音量であっても可聴域(約20Hz~20kHz)の双方の限界に近づくにつれ、音の感度が落ちます。
そのような人間の聴覚特性を等ラウドネス曲線と呼び、それに基づいた音量のレベルをラウドネスレベルと呼びます。

音圧レベルについてのWikipedia
ラウドネスレベル・等ラウドネス曲線についてのWikipedia

等ラウドネス曲線を見てもらうとわかるように、ラウドネスレベルは周波数だけでなく音量レベルにおいても特性を持っていることがわかります。
小さい音でマスタリングすると重低音が小さく感じるが、音量をあげると重低音が大きく感じるというような現象が起こるということです。
よって、MIX・マスタリング時にはできる限り、様々な音量で確認する必要があるということです。

「音量のメーターについて」

●ピークレベルメーター

0dBに戻るまで10ms以内と定められている音圧レベルのメーター。音圧レベルの瞬間最大値を測るものと言ってよい。
デジタル・クリッピング(デジタルでの音割れ)を監視するときには必須。全てのデジタル録音機器についていると言ってもよい。

●VUメーター

入力があってから規定値に達するまで300msかかる。+4dBの入力で0(単位:VU)の目盛りを示す。人間の聴感覚に近い。
しかし厳密に言うと。中域(しゃべり声の音域)は人間の聴感覚と近い表示をするが、中域と比べ、低域は敏感、高域は鈍感な反応をする特徴がある。
ピークメーターより10dBほど低い数値を示す場合が多い。
アナログレコーディングにおいては記録メディアによっても違うが、10dB以上のヘッドルームというものが設けられており、
0VU以上の入力があっても、いきなりクリッピングノイズが出ることはない。
デジタルレコーディングにおいては、デジタル・クリッピングの監視のためにピークレベルメーターとの確認が必須。

●RMSメーター

VUメーターと同一に扱われる場合もあるが、似たような数値を示すだけで内容は全く違う。
デジタルレコーディングでは上記のような理由からピークレベルメーターが用いられてきましたが、
「音圧戦争」の風潮のなかで全体の音量レベルを上げる必要が出てきました。そこでRMSメーターが登場した。
電流の平均値を示すのに用いる「二乗平均平方根(Root Mean Square)」という計算で示される数値が表示される。
ピークレベルメーターとは異なり、平均値をずっと表示するため、「音圧を稼ぐ」のに適している。
RMSメーターが付属していないDTMソフトもあるので以下にフリープラグインを紹介しておく。

TT Dynamic Range Meter :Pleasurize Music Foundation、Brainworx、SPLなど多数のメーカーの共同開発による、RMSを表示できるフリープラグイン。

●ラウドネスメーター

ラウドネスメーターはこのページで紹介した等ラウドネス曲線などに基づいた、人間の音量感を測定するメーター。
音量感は人それぞれ当然異なるが、世界の放送業界において規格化の流れが起こり、測定アルゴリズムやラウドネスメーターの表示の規格化が近年進んでいる。

詳しくはこちら(ROCK ON PRO 様)

steinberg SLM128 :CUBASEなど出しているメーカーが開発。EBU(欧州放送連合)が規定したEBU R128に準拠したフリーのラウドネスメーター。