「MIXとは?」

多数のトラックを目的のチャンネル数に「音楽的」にまとめ上げる作業です。

我々の行うMIXはステレオのカラオケ音源(2チャンネル※ステレオ)、数トラックの歌音源(トラック数×1チャンネル※モノラルの場合)を
2チャンネルにまとめることから、「2MIX」もしくは「ミックス・ダウン」と呼ばれます。
※カラオケ音源でなく、各楽器の音源(パラ音源)からMIXする場合は特にパラMIXと呼ばれます。

MIX作業を視覚化するなら、デジタルという最大音量0dB(ダイナミックレンジは16bitで約96dB・24bitで約144dB)の縦幅、ステレオという左⇔右のパンニングの横幅、
可聴域という周波数(約20Hz~20kHz ※技術的にはサンプリング周波数の半分の周波数を記録できる)の奥行…
その限られたスペースに、いかに音楽的に音素材を無駄なく配置するか、また、配置するにあたって音素材自体も全体の統一性を保つため、デザインしなければなりません。
どの作業においても、スペースは限られているので、音を足し算することより引き算することのほうが大事だと言えます。

※以下のマスタリングを前提に音圧に余裕を持たせる場合があります。

「マスタリングとは?」

要するに、配信やCD化など製品化するにあたっての最終調整です。

レコーディング・MIXは製作者の感性を問われる表現・芸術の領域ですが、マスタリングはリスナーの感性に重きを置いた、調整・職人の領域と言えます。
具体的には、CDアルバムなどにおいての曲間・音圧差の調整、音圧稼ぎ(下記に詳細)などの音作り、様々なリスニング環境を想定した調整などがあります。

※かつてはMIXした2MIX(マスターテープ)をCD・レコード(マスター・ディスク)化することを単にマスタリングと呼んでました。
MIXで完成した2MIXですが、これをそのままCDや配信作品として他の作品と並べた時、音圧感・質感に差が生まれてしまうことから、
それを微調整でなくすことを作業をマスタリング(厳密には音盤プレス段階をマスタリングと呼び、調整段階はプリマスタリングと言います)と呼ぶようになりました。
ところが、携帯音楽プレーヤーの普及・放送業界でのコマーシャルでの効果などにおいて、音圧上げることが主体になって来ました。(通称:音圧戦争)
音圧を上げることで、聴感覚上、高音域・低音域が聞こえてくるようになり全体の広がりが感じられるからです。
しかし、長時間リスニングでの疲れ・ダイナミクスの損失という弊害もあります。
本来、各楽曲ごとにボリュームを調整することが好ましいですが、携帯音楽プレーヤーのシャッフル再生などを前提で考えると面倒なのも事実です。