※流派によって様々な名称・考え方があるが、ここでは、Speech Level Singing(SLS)関係の資料を主に使用して一例とする。

声域を広げるトレーニング の項目で具体的なトレーニングを示します。ここでの知識を参考に以降のトレーニングをします。

「歌声の種類」

  1. PULL(プル):高音域で地声を無理に持ち上げてしまう
  2. FLIP(フリップ):高音域で声が裏返ってしまう
  3. LIGHT CHEST(ライトチェスト)、NO CHEST(ノーチェスト):地声が軽い、ほとんどない
  4. HIGH LARYNX(ハイラリンクス):喉頭が上がりすぎている
  5. MIX(ミックス):すべての音域で声質がほとんど変わらない

☆複数種が併発することもある

☆PULLとFLIPが多くの人が抱える、歌声の問題であり、それぞれに別の対処法がある

☆MIX(ミックス)を習得することが、目標のひとつ

「声区(レジスター)とMIX(ミックス)ボイスついて」

徐々に音程を上げて(下げて)いくと、響きの位置の変化を感じることがあるが、響きの位置ごとを声区(レジスター)と呼んで分類することがある。

音程を上げて(下げて)いく中で、特に、声質の変化や不安定感を感じる区間が、声区に挟まる形で出てくることがあり、それを、ブレイクポイントや換声点などと呼ぶことがある。

ブレイクポイントを解消し、声区を違和感なくまたぐ(ブリッジする)技術をMIX(ミックス)ボイスと呼び、それを習得することが、ボイストレーニングの目標のひとつになります。

「声区の種類とおおまかな音域」

●女声

(高音側)



MIX6(6thブリッジの音域:E7~G7)


ホイッスル


MIX5(5thブリッジの音域:A6~C7)


スーパースーパーヘッド


MIX4(4thブリッジの音域:E6~G6)


スーパーヘッド


MIX3(3rdブリッジの音域:A5~C6)


ヘッド


MIX2(2ndブリッジの音域:E5~G5)


ミドル


MIX1(1stブリッジの音域:A4~C5)


チェスト

(低音側)


●男声

(高音側)


MIX4(4thブリッジの音域:A5~C6)


スーパースーパーヘッド


MIX3(3rdブリッジの音域:E5~G5)


スーパーヘッド


MIX2(2ndブリッジの音域:A4~C5)


ヘッド


MIX1(1stブリッジの音域:E4~G4)


チェスト

(低音側)





※88鍵のピアノの真ん中のドが(C4)


「ミックスボイスの条件」

  1. 喉頭の高さが一定
  2. 声帯の閉まる強さが一定
  3. 声帯の間を通る空気の量が一定